Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lisez 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 88 573 caractères · 178 écrans
のないほどの臆病者で」
「フーム、面白いな」
「面白かありません。あんなのは男の屑で」
「臆病にもいろいろあるだろうが」
「与茂吉と来ては、底抜けの臆病ですよ。町内の若い者が集まって、夏の晩などは胆試しをやりますがね。与茂吉は何んと言われても、それに入ったことなし、からかって人の悪いのが、与茂吉の顔を見ると、怪談を始める――湯屋の二階や髪結床でも、あわてて逃げて帰る。月代を半分剃り残しても驚くような与茂吉じゃない」
「なるほど念入りだな」
「逃げようのないところで怪談が始まると、冷汗を掻いて真っ蒼になり、ガタガタ顫え出すというから大変でしょう」
「フーム」
「二階に寝ると雷鳴が怖いし、階下に寝ると地震が怖く、入口が近いと泥棒が怖いと言うので、巴屋でも中二階の行燈部屋の片隅に、鼠のように息を殺して寝ている」
「それほどの臆病なら、主人を殺す胆っ玉もないだろう。竹松親分は、妙なところへめをつけたものじゃないか」
平次はいちおう横槍を入れました。
「ところが、馬鹿が利巧そうな口をきき、利巧な奴は馬鹿見たいに振舞うように、――それ、大賢愚に近し――とか言うそうですね。あっし見たいに間抜けな面をしている者は、芯が利巧だったり」