Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lisez 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 88 573 caractères · 178 écrans
「一とわたり近所で訊いて見ましたが、あの騒ぎの中では日本橋の真ん中で誰が通ったか、わかるわけはありませんよ」
八五郎が最初から匙を投げるのも無理のないことでした。
「場所を変えて見るのだよ、日本橋の欄干の見える場所、小料理屋の二階から、浅田屋の主人は眺めていたと言うじゃないか」
「行って見ましょう」
平次と八五郎は、そこからすぐ橋の上に引返しました。川岸は夥しい倉庫と、一方は魚市場ですが、その間に場所柄だけに幾つかの小料理は散在しないことはありません。
二人の御用聞は、それを一軒ずつ調べて行きます。たいがいは何んの関係もありませんが、一軒だけ、川に臨んだ小さい家から、心得顔の女が顔を出します。
「今日の昼頃、あの騒ぎの真っ最中ですが、お客様がありましたよ。どこの方ともわかりませんが、この温いのに深々と覆面した、欄干渡りが見たさの、良いところの旦那衆でしょう」
「それだよ、その人に間違いもない、もう少し詳しく話してくれ」
平次は思わず飛付きました。場所柄ですけれども客のない時で、女ものんびりして打ちあけてくれます。
「田舎縞の羽織を着た、この辺の食物屋なんかへ入りそうもない人でしたよ、いきなり欄干を下から見たいから、階下の部屋が良いと仰っしゃって、川へ近い座敷へ通りましたが、お茶とお菓子を差し上げただけ、大した御用