Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lisez 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 88 573 caractères · 178 écrans
打ち上がったような、謙遜したような、妙な調子で二人は始めました。大里貫之助というのは四十前後、少し好人物らしい逞しい男で、佐々見左仲はそれより六つ七つ若く、抜目のない商人のような感じのする二本差です。
「どんな事か存じませんが、私は町方の御用を承わって居る者で、お武家方の内輪のことには、立ち入り兼ねますが――」
平次はツイ尻ごみするのです。
「それはわかって居るが、先ず聴いて下さらぬか、平次殿」
「ヘエ」
「何を隠そう、拙者の主人、――名前を申上げても差支えあるまい、――どうせ衣紋坂の高札場に曝されて、幾百千人とも知れぬ者の眼に触れた後だ」
「――――」
「その主人、青江備前守殿には、困ったことに、御髻を失われたのだよ」
「えッ」
「昨日、――散々お諫め申したが、どうしても、久し振りで仲町の様子が見たいと仰しゃる。拙者と佐々見氏と、前後から守護を申上げたら、万に一つも間違いがあるまいと思ったのが手ぬかりであった」
「――――」
「日本堤を編笠茶屋まで行くと、――これから先は町人共でさえ顔を隠す者が多いくらいだから、御身分の方がお顔をさらしては通りにくい。と申しても、まさか借物の編笠をお勧めするわけに行かないから、佐々見氏が用意のため持参した御編笠をお着せしようとする、と」