Classiques japonais avec furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lisez 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 198 400 caractères · 387 écrans
お城の大手からくりだしてくる提灯の火がひとつふえ、ふたつふえ、しだいしだいにその数を増してまいります。そしてその提灯の火は、右をてらし左をしらべつつ、ワッワと声をあげておいおいとちかづいてきましたが、やがてさくらの根元にうごめいている、黒いかげを見いだしたのでしょうか?
「お、なにやらさくらの根元に、うめいているぞ!」
とちかよってきましたが、提灯をかざしたその一隊は、おもわずそこに愕然として、立ちすくんでしまいました。
見よ、見よ! その瞬間、バサッとすさまじい音をたてて、さくらの枝からなにかまっくろな大きな怪物が、うめいている左近将監の上へとびおりました。そしてとびおりると同時に、するどい爪をたてたのでしょう。バリバリ! と肉のやぶれる音がして、一同ハッと息をのんだ瞬間、怪物は、いともかるがると将監のからだをくわえると、ひとふりふたふり爛々たるまなこをして、一同をにらみつけながら、パッと横手のくらがりのなかへ、すがたをくらましてしまいました。
あまりのすさまじさに、一同夢に夢みているような気持で、あっけにとられていましたが、のちにこの左近将監の死体は、目、鼻、口、なにがなにやら見わけもつかないくらいに噛みちぎられた無残なすがたを、おのが住居である山茶花屋敷正面式台の上に、大の字なりにころがされて、息子