Classiques japonais avec furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lisez 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 198 400 caractères · 387 écrans
死人の屋敷
将監主従の一行が、もくもくとして、門の砂利道をくだって、お小姓街道をよこぎって、いまじぶんの屋敷の門前のだらだら坂へさしかかってきたときだったのです。
スグそこの闇のなかには、ひときわ濃く石垣のうえに、左近将監の屋敷がそびえたっていましたが、片側はいちめんに大きな竹藪、そしていしころがゴロゴロとして、まことに足場のわるいところでした。
「だんなさまおそれいりますが、ちょっとお待ちくださいまし。ただいますぐに、お灯をつけますから」
と、佐平治はかがみこんで提灯の火をつけるために、しきりにカチカチと火打ち石をすりあわせていましたが、
「おや!」
とふしぎそうな声をあげて、火をつけおわっても提灯を地べたへたたきつけて、しきりになにかさがしているようすです。
そればかりではありません。腰をかがめたまま二足三足そのへんをあるきまわっているのです。
「おや、だんなさま! これはおかしゅうございますぞ! 血がたれておりますぞ! おや! ここにも血がながれている。ワァーッ! こりゃたいへんだ! お屋敷まで血がつづいておりますぞ! だれか、この道をひきずられていったらしゅうございますが」