Classiques japonais avec furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lisez 福翁自伝 (ふくおうじでん) de 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 912 caractères · 402 écrans
書生を懲らしめる
ダカラ人が私を馬鹿にすることは出来ぬ。能く世間にある徳行の君子なんて云う学者が、ムヅ/\してシント考えて、他人の為ることを悪い/\と心の中で思て不平を呑で居る者があるが、私は人の言行を見て不平もなければ心配もない、一緒に戯れて洒蛙々々として居るから却て面白い。
書生を懲らしめる酒の話は幾らもあるが、安政二年の春、始めて長崎から出て緒方の塾に入門したその即日に、在塾の一書生が始めて私に遇て云うには、「君は何処から来たか。「長崎から来たと云うのが話の始まりで、その書生の云うに、「爾うか、以来は懇親にお交際したい。就ては酒を一献酌もうではないかと云うから、私が之に答えて、「始めてお目に掛て自分の事を云うようであるが、私は元来の酒客、然かも大酒だ。一献酌もうとは有難い、是非お供致したい、早速お供致したい。だが念の為めに申して置くが、私には金はない、実は長崎から出て末たばかりで、塾で修業するその学費さえ甚だ怪しい。有るか無いか分らない。矧や酒を飲むなどゝ云う金は一銭もない。是れだけは念の為めにお話して置くが、酒を飲みにお誘とは誠に辱ない。是非お供致そうと斯う出掛けた。