Classiques japonais avec furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lisez 胡堂百話 (こどうひゃくわ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 124 386 caractères · 248 écrans
知的な与謝野晶子
劇評家が芝居に凝り、学生たちもカツラをかぶる新興の文学運動のメッカ、新詩社といえども、じっとしていられなかったのは、当然である。
ステージは、両国の大きな貸席「伊勢平」を借り切って、何日も前から、大した準備であった。むろん、入場料なしの弁当つきで、文学青年や、その卵たちにとっては、胸をときめかせるものだったのであろう。
うまいと思ったのは、彫刻家の伊上凡骨だけで、盟主の鉄幹は、のちの伊庭孝に似て、実に堂々たる押出しだった。しかし、口を開くと全然駄目で、だから、セリフもほとんどなく、ヌーッと出て、ヌーッと引っこむだけだった。
筋は忘れたが、なんでも、宴会の場面があった。主役のつかない大勢が、お膳を前に居流れていた。石川啄木もその一人であった。やがて、下手から芸妓たちが現われて、
「コンバンワ。アリイ……」
と、型の如く手を突くと、啄木以下のお客様たちは、一斉に、ぴたりと両手をついて、深々と最敬礼をしてしまったので、見物席は、いや、もう、キャッキャッという大騒ぎ。
ここで、キャッキャッという形容詞を使ったのは、私の隣から後方にかけて、女性のための観客席で、与謝野晶子を筆頭に、長谷川時雨、岡田八千代、茅野雅子、森真如など、美しいミスたちが、金魚のように押し並んでいた。