Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

Lisez 胡堂百話 (こどうひゃくわ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 124 386 caractères · 248 écrans

Aozora Bunko

地酒の一瓢をたずさえたかどうか、記憶にないが、船は二十人ばかり乗れるのがあった。私は北上川に育って、棹には自信満々である。池のまんなかまでこぎ出すと、お粗末なお弁当をひろげて、歌と俳句の会を開いた。石川啄木もいて、私はお付合いに、生れてはじめて短歌というものをひねくった。

東京を去ること百三十里。因習の町の盛岡に、中学生の大ストライキという大変なことが、勃発したのは、これから四カ月の後である。平家打倒の鹿ヶ谷の密議を真似て、学校当局糾弾の第一声を、月下の船中にあげたのだ……と、ものの本に書いてあるが、これは、少々、潤色がすぎるようである。

事の起りは、古くからいる先生たちが、保身のために手を結んで、若くて優秀な先生が、東京あたりから新任してくると、奥女中式のやり方で、いびり出してしまう。論より証拠、鈴木先生もやめた。岡本先生もいびり出されたではないか、というのである。

今にして思えば、若い野心的な先生が、盛岡なんぞに長く足をとめるわけがない。機会さえあれば、中央へ出たがるのは当然で、必ずしも中古品の先生の、意地悪だけではなかっただろうが、なにしろ、みんな生一本である。