Classiques japonais avec furigana
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やそうざっき・やちょうざっき
野草雑記・野鳥雑記
柳田 国男
Lisez 野草雑記・野鳥雑記 (やそうざっき・やちょうざっき) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 016 caractères · 284 écrans
たて横にこの楊の花の飛び散る中に入って行って、口を開けてその綿を啄ばもうとする。それをどうするのかと思ってなお気を付けていると、いずれも庭の樹木の茂った蔭に入って、今ちょうど落成しかかっている彼等の新家庭の、新らしい敷物にするらしいのであった。ホテルの庭の南に向いた岡の端は、石を欄干にした見晴し台になっていて、そこにはささやかなる泉があった。それとは直角に七葉樹の並木が三列に植えられ、既に盛り上がるように沢山の花の芽を持っている。どれもこれも六七十年の逞ましい喬木であった。鳥どもは多く巣をその梢に托していると見えて、そちこちに嬉しそうに家普請の歌の声が聞えるが、物にまぎれてその在処がよくはわからなかった。
ところがどうしたものかその中でたった一つがい、しかも羽の色の白い小鳥が、並木の一番端の地に附くような低い枝の中ほどに巣を掛けている。僅かばかりその枝を引き撓めると、地上に立っていても巣の中を見ることが出来た。巣の底には例の楊の綿を厚く敷いて、薄鼠色の小さな卵が二つ生んである、それがほどなく四つになって、親鳥がその上に坐り、人が近よっても遁げぬようになってしまった。