Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やそうざっき・やちょうざっき

野草雑記・野鳥雑記

柳田 国男

Lisez 野草雑記・野鳥雑記 (やそうざっき・やちょうざっき) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 016 caractères · 284 écrans

Aozora Bunko

中世盛んに流行した歌問答の昔話にも、西行とか宗祇とかいう旅の歌人が、摂津の鼓の滝に来て一首の歌を詠んだ話がある。

津の国の鼓の滝を来て見れば川べに咲けりたんぽぽの花

そうすると傍に草刈りの童子がいて、第三の句を「うち見れば」と改めてくれた。宗匠自慢の鼻はたちまち折れ、その童子の何とか明神の化現なることを知ったという類の物語、これを詳しく説明することは退屈だが、とにかくこの話の出来た頃までは、人がタンポポの本は鼓の名であることを知っていた。後年この楽器の流行がすたれて、小児は名の起りをもう忘れてしまったのである。

タンポポとよく似た名の付け方は、なお他の色々の楽器にもあった。例えば越中から越後の平野にかけて、お寺の本堂の大きな鐃鉢をガンモモ、家々の仏壇の小さな鉦を、チンモモというのは普通の語である。ガンとかチンとかいったばかりでは、幼ない人たちにはこれをあの音の形容と認められなかった。余韻の暫らくの間モモと続く所までを、ぜひともその名称の中に取入れなければ、彼等には気がすまなかったのである。ところがいよいよ本堂の大鉦をガンモモと呼ぶことにきまって、また暫らく経つと今度は形の似たものにこれを転用する。