Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 142 597 caractères · 289 écrans

Aozora Bunko

「…………」

恐ろしい毒舌を浴びて、平次もサッと顔色を変えましたが、一言半句も返しようがありません。

「よしッ、帰ってやるが、寺社奉行の検使の方が、まだ遠くは行くめえ、その辺からお伴れ申して来るが、それまでその富箱へ手を掛けちゃならねえぞ、――お品さん、しばらく見張っていて貰おう」

平次は言い捨てて、サッと帰ろうとすると、

「あ、待っておくんなさい、銭形の親分、相模屋が少し酔っているから、とんだ粗相をしました、どうぞ機嫌を直して、何事も大目に見てやって下さい」

と、もう一人の世話人、足袋跣足のまま飛降りると、平次の袖へゾロリと、一と包の小判を握らせます。

「何を言やがる。こんな事をする以上は、いよいよ臭いに極ったようなものだ。お品さん後を頼むぞ」

平次は袖の小判を取って本堂に叩き付けると、後をも見ずに両国橋の方へ――。

二人の検使は、富籤に不審があるという町方御用聞の申立てに、渋々ながら海雲寺まで引返しました。

海雲寺の本堂は、上を下への騒ぎ、何べんか富の箱を片付けようとしましたが、その度ごとに、お品と、利助の子分に妨げられて、それもならず、何がなしに上ずった騒ぎの中に、時を過してしまったのです。