Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 142 597 caractères · 289 écrans

Aozora Bunko

「鶴の一千二百三十四番が一番札に当るということは前々から解っていたのに相違ありません。何万人の目を盗んで、太い奴らでございます。後のため、世上への示し、箱の仕掛けをよく御覧下さいまし」

そう言って平次、今度は二人の検使と一緒に本堂に押上がりました。咄嗟の間に気の付いたのは、二重蓋の下に、観世縒で鶴の一千二百三十四番の札を平らに吊り、それを錐で突き下げる方法ですが、見たところ箱の蓋には、観世繕を仕掛けた跡もなく、真新しい札にも何の異状もありません。

「どうした、何か不審の点が見付かったか」

と検使。

「ヘエ――」

平次は気が気じゃありませんでした。

次に考えられることは、錐に磁石を仕掛け、当り札に鉄片を付けておくことですが、これも、その札が深く隠れている時は無効で、その上、見たところ、長柄の錐にはどんな仕掛もありません。

平次はすっかり弱ってしまいました。

でなければ、読上役が手品を使ったか、――いや、そんな事はとても考えられません。役人や群衆の何万の目が見張っている中で、そんな器用なことが出来るはずはないのです。

「平次、いい加減にせい。せっかく売り込んだお前の箔が剥げるぞ」