Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 142 597 caractères · 289 écrans

Aozora Bunko

「この一条は拙者畢世の過ち、人手に掛って相果てた妻に対しても面目ない。もっとも、一方では、永井家縁故の同志を集め、素読の稽古と触れ込んで、毎日地下に穴を掘り続け、あと一両日で、囲いの下に掘り抜くという時、その八五郎とやらが弟子入りをして来たのだ――それをどう始末してよいものか、平次、お前の思案ならどうだ」

皆川半之丞の頬には苦笑いが淀みます。

「御尤もで、皆川様」

平次はあっさり合槌を打ちました。

「穴はもう主君鉄三郎様の囲いの下まで行っている。床板を下から打ち抜きさえすれば、何の苦もなく救い出せるのだ、――そこへこんな邪魔が入った」

「よく解りました。皆川様、御心持、いちいち御尤も、決して無理とは申しませんが、それほど相手の悪事が判っているなら、どうして大目付へ訴えて出られないのです」

平次は最後の疑問を投げ出したのです。

「永井家――東照宮様格別の思召しで八千五百石を下し置かれた永井家が、断絶になってもよいと言うのか」

「…………」

「これが表沙汰になれば、善悪ともに永井家の立行く道はない。いま無事に鉄三郎様さえ救い出せば、何とでも弁解の道は立つ、同志四五人命を惜しむ者はないが、斬込んで御府内を騒がさなかったのはそのためだ」