Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 142 597 caractères · 289 écrans
「有難い、いずれこの礼には縛られてお前の手柄にしよう」
「とんでもない、穴を掘って縛られた日には、日本中の土竜は暮しが立たねえ」
「同志も世間を憚って来ず、一人ではあの床板を破って、見張りの浪人を押え、鉄三郎様を救い出す工夫がなかったのだ。それでは頼むぞ、平次殿」
皆川半之丞は涙を拭いておりました。
「さア」
「行きましょう」
穴の中を用心深く進む二人。その後ろ姿を見送って、ガラッ八はしばらく口も塞がりません。
「チェッ、物好きだね」
*
その晩。
長崎屋の雇浪人、伊坂某は斬られ、囲いの中の鉄三郎は奪い去られました。しかし、事件は何もかも闇から闇に葬られて、それから三日目、永井平馬の一子平太郎が、永井和泉守相続人として、明日は将軍御目見という時、三年前神隠しに逢って野州二荒山の奥にいたという和泉守一子鉄三郎が江戸に立還り、改めて家督相続を願い出で、後見人永井平馬は、家事向き不取締の廉があって江戸を追放されることになったのです。
「親分、驚いたぜ、――御用聞がなぐり込みの片棒をかつぐなんて」
この頃は、ガラッ八もすっかり健康を取戻しておりました。
「シッ、黙っていろ、――これは御用聞の仁義さ。