Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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したやそうわ

下谷叢話

永井 荷風

Lisez 下谷叢話 (したやそうわ) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 122 971 caractères · 246 écrans

Aozora Bunko

『竹渓遺稿』に「庚申ノ春竹渓書院ノ壁ニ題ス。」となした七言律詩がある。「竹渓書院竹渓傍。又値新年此挙觴。魏闕只言聊玩世。并州豈料竟為郷。官情一片春氷薄。旅思千重烟柳長。江戸東風三十度。空吹愁夢到南張。」〔竹渓書院竹渓ノ傍リ/又新年ニ値ヒテ此ニ觴ヲ挙グ/魏闕只言フ聊カ世ヲ玩ブト/并州豈料ランヤ竟ニ郷ト為ルヲ/官情一片春氷薄シ/旅思千重烟柳長シ/江戸東風三十度/空シク吹ク愁夢南張ニ到ルヲ〕この詩は竹渓の生涯を窺うに最必要のものである。「庚申春」は寛政十二年正月である。宝暦十二年に生れたはずの竹渓は年三十九。その父鷲津幽林の尾張に没してから三年の後である。律詩の前聯「魏闕只言聊玩世。」〔魏闕只言フ聊カ世ヲ玩ブト〕またその後聯「官情一片春氷薄。」〔官情一片春氷薄シ〕の二句は薄禄の幕臣であった事を語っている。転結に「江戸東風三十度。空吹愁夢到南張。」〔江戸東風三十度/空シク吹ク愁夢南張ニ到ルヲ〕というのを字義の如くに解すれば寛政十二年より三十年前に竹渓は尾張の国を去って江戸に来った事になる。然りとすれば竹渓は纔に十歳の時四十六歳になる父幽林の膝下を去ったわけである。