Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Lisez 五瓣の椿 (ごべんのつばき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 721 caractères · 296 écrans
「女中さんが来ますよ」
「来やあしないよ」彼は立ちあがって手をさし出した、「このうちのことは私がよく知っている、呼ばなければ誰も来る気遣いはないんだから、さあ」
「立たせてちょうだい」
「酔っちまったね」
源次郎は炬燵をまわり、おしのをうしろから抱き起こした。酔って力のぬけたような、やわらかにぐったりとした娘の躯は、源次郎の欲望をかきたて血を狂わせたようだ。彼は片手でおしのを抱き、片手で襖をあけた。次の間には夜具がのべてあり、絹の丸行燈や、枕許の盆なども揃っていた。
「あちらに包みがあるの」とおしのが囁き声で云った、「持って来て下さいな」
源次郎は風呂敷包みを持って来た。
「屏風をまわして」とおしのは云った、「着替えるまで見ないでね」
「行燈へ火を入れよう」と源次郎が云った。
彼が丸行燈に火を移し、襖を閉めると、屏風の中からおしのが、彼の寝衣を出してよこした。もちろんこの家のものである、彼は気もそぞろな動作で、手早く着替えをし、「いいかい」と声をかけた。
「いいわ」とおしのが答えた。
源次郎が屏風をまわってゆくと、おしのは長襦袢になって夜具の上に坐り、扱帯をしめようとするところだった。