Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Lisez 五瓣の椿 (ごべんのつばき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 721 caractères · 296 écrans

Aozora Bunko

彼は立停った、「なんだ」と彼は左右を見まわした、「仲次郎がどうしたってんだ、誰だ、仲次郎がどうしたってんだ」

「へっ」と首を振って、彼はまた歩きだした、「小娘のくせにのぼせるな、今日まで手も握らなかったのはな、そっちが熱くなるのを見たかったからだ、それをなんでえ、ちょっと下へおりて、小部屋へ支度をするように云って、帰るともういねえ、へっ、いい面の皮だ、こっちは小部屋の支度を頼んだんだぜ、岸沢蝶太夫ともあろう者がさ、――お伴れさまはお帰り、土産の折詰にはなまで置いてある、いいざまだぜ」

人の混雑する広小路を横切り、薬研堀から旗本の小屋敷のあいだを、住吉町のほうへぬけていった。

彼はいっときなにも云わなかったが、胸の中は圧迫されるような不安と、誇りを傷つけられた者の怒りとでいっぱいだった。――ふしぎな娘だ、と彼は心の中で思った。初めて逢ってから今日まで、家がどこにあるのか、商家の娘か金持の娘か、年は幾つになるのか、すべてがわかっていない。おりうという名でさえ、ことによると偽名かもしれない。――初めに中村座の楽屋へ迎えが来て、逢ったのは中洲の「大八」だった、と彼は思った。