Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lisez 剣難女難 (けんなんじょなん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 243 807 caractères · 482 écrans

Aozora Bunko

その時、眼を移して七、八間離れたところを見ると、今しもこんがらとせいたかが、臂の久八、荒神十左、投げ槍の小六達に、三面を囲まれて、どうやら返り討になりそうな苦戦、こんがらもせいたかも刻々、掠り傷の痕を増して、炎を立てているような朱身となった。

提灯持ちの乾分は、事急と見て、逸早く、この場を逃げ出して、氷川下の深見重左へ変を告げに飛んで行ったらしい。

「わッ」

不意にそこから流れた絶叫。

捨身になったせいたかが手際よく、右側の荒神十左の片腕を斬ったのだった。――が、彼が荒神を斬った途端に、追いかぶさった投げ槍小六、重ね打ちに、三尺余りの大刀をふり下ろして、せいたかの肩から背すじにかけて、後ろ袈裟にばさりと斬り据えた。

「うーむ」

と虚空へ脇差を揮りかざしたまま、無残、せいたかは五体を弓のように折ってぶっ斃れる。

残るはこんがら一人と三人、どう贔屓目に見ても、早く、新九郎が玄蕃を片づけて、助勢に加わらぬ限りはこの勝負、到底こんがらに勝ち目はない。

折から、細かい宵の雨は、また霧のように霽れ上がって、柳の森の濡れた上へ、ぼんやり浮いた月の暈――その光りに、土手の道も仄白く見えだした二、三町先から、ここへ指してまッしぐらに駈けつけてくる黒い影。