Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lisez 剣難女難 (けんなんじょなん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 243 807 caractères · 482 écrans

Aozora Bunko

重蔵も腕をくんで、泣くまで泣かせておいてやろうと思った。それがせめてもの情けである。いい加減な慰めがこの年月の彼女の艱難にだけでも、露ほどの、宥りになりはしない――と思うのだった。

それにしても、今のが新九郎であるとすれば、僅か四、五年の間に何という恐ろしい性格の変りようであろう。あの腕の冴えを持ちながら、いまだに鐘巻自斎を打ち込んだという噂も聞かず、殊に、賤しい言葉づかいや、身ごなしの荒々しさ、そして、女の、酒のと、忌わしい謎めいたことさえ言っていた。

いつか、山は眠りに入るように森としてきた。寛永寺の森に、夕鴉の寒い羽ばたきが聞える。あたりの桜も、淡墨色に暮れて来た。千浪は、泣き死んだように、花びらの中に顔を埋めている……もう動きもせずに泣いているか――と重蔵は腸を掻きられるような思いがした。

「そこにいるのは、さっきの虚無僧さんかえ」

ぽっかり提灯の明りが、鼻のさきへ現れた。

「はい、虚無僧の者でござります」

「私は、この先の、大師下の茶屋の者だが、先ほど、お前さん方に助太刀した御曹子の親分が、これを後で渡してくれと言って、置いて行きなすった」