Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lisez 剣難女難 (けんなんじょなん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 243 807 caractères · 482 écrans

Aozora Bunko

これは審判床几にいる両家の家臣に聞かす意味が多い。二人は平伏して遥かなる将軍席へ目礼した。

「ご両所とも、お支度あってよかろう!」

甲子之助がサッと奉行床几に戻る。

途端に、自斎と新九郎は、置かれてある木剣の柄を掴んで、ギラリと、互いの眸を見詰め合った。無量の感慨――一念の光――眼に漲って黙礼の会釈は舌火を飛ばすに優る凄味。スックと立った途端に二本の木剣から風のごとき唸りを生じた。

「エイ――ッ」

と、持ったままの下段青眼、春日新九郎がまず先にくれた気当のつんざき。

「おおッ!」

大上段、満月に肘を構えた鐘巻自斎は、山の如く森林のごとく、静かに自若として新九郎の剣勢をみつめた。

その時、松平忠房と京極丹後守は、各※(二の字点、1-2-22)の幕屋から外に出て、この勝負にジッと固唾をのんでいた。――思いぞ出ずる九年前の桔梗河原に、春日重蔵が片足を打ち挫かれたあの時の光景……

爽やかな風が二剣士の裾を払った。袖はひるがえったが剣は微動だもしない。――と思うと颯然! 自斎の大上段が寸のびにふり下ろされた。まさに富田流の鉄甲摧破、受ければ受けた木剣は粉となって飛びそう、あっ――と思わず観者の声が上ずる――その時、スッと新九郎の体がかわった。