Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 197 228 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

ふと、蘭丸は口をつぐんだ。すこし云い過ぎたと覚って、心に悔いているらしい。光秀に抱いている感情を秘すことは処女のような蘭丸であった。

こんな時、秀吉は、決して鋭感な顔はしていない。至極、神経の粗雑な体を示して、

「やあ、もう見える。安土の御城下はあれ。急ごう、於蘭どの」

と、相手の神経などにかけ関いなく、そう指さすやいな、駒を早め出した。

城門の正門は、混雑していた。変を知って馳せつけた登城者の従者や、近国から殺到した使いの者たちである。

秀吉と蘭丸はその中をほとんど掻き分けるようにして、本丸の八景の間へ通った。

「御評議中です」

とのことに、すぐそこへ加わろうとしたところ、信長の側へ行ってまた戻って来た蘭丸が、

「竹の間で待てとの御意ですから――」

と、秀吉を誘って、本丸の三層楼へ案内した。

竹の間、桐の間などがあるこの一層は、信長の居室にあてられていた。秀吉はひとり坐って、湖をながめていた。

やがて、信長が来て、やあと云いながら、無造作に上座へすわった。秀吉は礼を執ったきり、黙然としていた。無言と無言は長くつづいたが、無駄口をかわしている遑は、どっちにもないのである。