Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 197 228 caractères · 394 écrans
「それもよろしゅうございましょう」
秀吉は逆らうことなく、ただ友のために、また主家のために、こう一言を云い足した。
「俗諺にも――仏者の嘘を方便といい、武門の変を戦略という、とか申します。――変には変をもって応じ、真っ向に乗ってゆくこと、かえすがえす厳禁です。毛利方をして、歓ばしめるような策は、ぜひともお避け遊ばすように」
「わかっておる」
「御評議の結果も相待ちたく思いますが、播磨表の動揺も心もとなく存ぜられますゆえ……筑前はすぐお暇を」
「そうか」
と、やや残り惜しげに、
「――帰路はいかがいたすか。兵庫路はもはやうかと通行もなるまいが」
「お案じくださいますな。海路もありまする」
「むむ。……では、結果は刻々早打ちをもって云い遣ろう。そちからも、便りを怠るな」
「仰せまでもございませぬ」
秀吉は、安土を退城った。
体も疲れていたので、彼は船手の者に帆船を出させた。安土の下から船で大津へ渡った。
その夜は三井寺の房に一泊し、あくる日、京都へ向った。
堀尾茂助と福島市松をそこから先発させて、
「堺の浜に、船の準備をしておくように」
と、手筈をいいつけ、自身は蹴上の下から道を曲って、南禅寺へ立ち寄った。