Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 197 228 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

みな、彼を振向いた。

そして、強右衛門か、と軽く知ると、眼の中へも入れない顔をした。

陪臣の端くれで、五、六十石にすぎない軽輩と、身分を蔑んだわけではない。

全城一心のいまだ。生死を共に期しているいまだ。そんなけじめは誰にもない。

が――強右衛門とあっては、誰でも余りに頼りに思えなかったのである。律義者の子沢山というが、この男も、まだ三十六というのに、子どもは四人もかかえている。

微禄なので、平常の貧乏は、岡崎にいても、城下で指折りのほうである。内職もやる、百姓仕事もする、それでもなお喰えないとみえ、非番の日は、腫物だらけな子どもを負い、洟垂らしの手をひいて、諸家の弓直しや具足の手入れなどさせて貰って糊をしていた。もっとも、彼の妻が生来弱いので、子を生むとか、病床にいるとか、とかく事欠きがちなので、久しぶり戦場から帰っても、強右衛門は、暢々するひまもなかったのである。

また、こういう妻には、こういう良人が、よく配偶されているように、強右衛門は、世俗でいう「気ばたらき」の至ってない、鈍々として、ただ真正直が取柄だといわれるような性格だった。

――その強右衛門がいま、何を感動したのか、奥平勝吉のことばを聞いて、すすり泣きとも何ともつかない変な声を出したので、異様な眼をふと一同から向けられたが、この緊張して