Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 176 911 caractères · 353 écrans
次の七本槍の場所は何処かの。――伊勢路か、三河か。追ッつけ知れよう」
寸時の後。
甚内は秀吉の前にいた。秀吉の座下に平伏したきり、頭も上げないでいた。
命ぜられて、わが家に預かっていた北畠家の質人を、無断で、質人の子の滝川三郎兵衛に渡してしまった次第を――
「彼奴のそら涙にほだされて、つい、てまえ一存にて、三郎兵衛めに、貸しました。然るところ、今朝に及び、北畠殿には、はや御当家と、お手切れの覚悟あると聞き、さてはと、臍を噛みましたものの、もはやどうもなりませぬ。……実に、拙者は、莫迦者でござりまする」
と、慚愧して、詫びぬいた。
赫怒して、叱ると思いのほか、秀吉は笑い出していた。
「莫迦者とか。よう申した。まことにそちは、幼少からよく泣く泣き虫であったからの。……で、どうするつもりか」
「さきに頂戴いたしました七本槍の御賞辞、御加増、みなお取り上げくださいまし」
「そんなことではすむまい」
「決して、すみません。けれどかかる不始末で、腹は切りとうございませぬ。御成敗とあらば、首さしのべますが」
「そう急がずともよいわ」
「てまえ一存で致した失策。なお、てまえ一存の始末をおゆるし下されば、その後においては、いかなる罪を賜わるも、おうらみには存じませぬ」