Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

橋の上の女 ――銭形平次傑作選2

野村 胡堂

Lisez 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 88 573 caractères · 178 écrans

Aozora Bunko

「――――」

「ヘエ、何しろあの騒ぎでございます、お嬢様が、真昼を合図に日本橋の欄干を逆立ちで渡るという噂で、店中の者は皆んな出払ってしまいました」

五十近い番頭は、見事な禿茶瓶ですが、好奇心だけはまだ衰えを見せぬらしく、首のあたりをもそもそと掻きながらも、ことごとく恐れ入っております。

縁側で泣いているのは娘のお琴でしょう、十七と言うにしては、背丈も伸び、江戸娘らしく、存分に負けん気らしいのが、大きい悲しみに浸って、他愛もなく崩折れているのです。

「お嬢さん、先刻は大変な騒ぎだったそうですね」

「――――」

すれ違いざま声を掛けた平次に見向きもせず、お琴はしくしくと泣いております。昼のままの黄八丈に、赤い帯が娘らしく、その嗚咽も限りなく憐れを誘います。

橋の上で怪我をしたらしく、足の甲は無造作に巻いてありますが、素足のままの足が、板じきを踏んで、こんな事にまで痛々しさが沁み出すのです。

「足は何んともありませんか」

娘の答えも待たず、平次は奥へ進みました。八五郎はきな臭い顔をして後をついて来たのは言うまでもありません。

奥の部屋、――一方口でお勝手とはむつかしい通路のあるところ。