Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lisez 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 88 573 caractères · 178 écrans
「私と許嫁の披露があってからも、菊次郎さんの遊びが止まなかったので、私もつい白い歯も見せず、親しい気持になれなかったので、だんだん他所他所しくなるばかり、それからの菊次郎さんの放埒は本当に目に余りました」
「?」
平次は黙ってその後を促します。
「でも、菊次郎さんが亡くなって、その手文庫を調べますと、お気の毒なことに、私のことが、いろいろ書いてございました。菊次郎さんは、決して私を嫌ったわけでもなく、私が他所他所しくするので、ついたまり兼ねて放埒に身を持ち崩し、向島のお銀さんとやらに通い出したようで」
「――――」
「私はそれを知って、本当に菊次郎さんにすまないと思いました。今さら気がついても、後の祭りですが、せめては菊次郎さんを殺した下手人を挙げ、それから身を退きたいと存じ、明神下の親分さんのところへ参りました」
「――――」
「ところが、徳三郎さんは」
平次にもその消息はよくわかるような気がするのです。お夏に対して冷淡だったと思い込んだ兄の菊次郎が死んだ上は、お夏という獲物はもう、自分のものと思い込んだのでしょう。
「で、お嬢さんは、大方見当がついていることと思うが、菊次郎さんが釣舟で庭の池から出るのは、この間の晩に限ったことではなかった筈だと思うが――」