Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Lisez 石狩川 (いしかりがわ) de 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 253 535 caractères · 506 écrans
神経は小さく、かたく、やがて動きをとめるかも知れない。生命が消えかけるのである。
高倉は気づいて跳びあがった。ずしんと頭をうちつけて我にかえった。まびれ着いた雪をたたき落した。「おい!」と鋸屋を呼んだ。返事が無いのでその足を蹴あげた。「睡ると死ぬぞ」と彼はどなった。「死ぬ――」と云う言葉が彼の神経にひびいたらしかった。ふいに彼は立ちあがって歩きだした。何かぶつぶつ云っていた。「どこへ行く?」と高倉は呼ばった。その声は聞えなかったと見えて、鋸屋は吹雪の闇に一直線に進んでいた。どんどん歩いていた。「どうした? おい?」と、高倉は焦ら立って跳びだした。彼は、ふりかえりもせぬ鋸屋に憤ッと腹を立てていた。駈けつけて相手の襟がみをひッ掴んだ。
「無謀なことを致すな」
ぐいと引き戻した拍子に、しかしそれは、腐れた木株のようにぽこりと倒れた。
「おい、どうした?」
高倉は雪のうえに手をついて立ちあがった。そして、一言の返事もないこの同行者は何ものだろう――と、はじめて考え直した。がたッがたッと胴ぶるいが出た。
ごッと烈風が吹きつけた。よろよろッと雪のなかにへたばって、彼はちょっと目をつぶった。