Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

Lisez 石狩川 (いしかりがわ) de 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 253 535 caractères · 506 écrans

Aozora Bunko

吹雪の音が潮騒のように聞えた。かッと目をひらいた。闇と雪のなかであった。記憶はごたごたになって、時間の差がなくなっていた。それでも彼は憶いだした。連れがあった筈だ。足許にたおれていた筈だ。彼は這いまわった。吹きつける風によちよちしながら、手を雪にさし込んで掻きまわした。捜しだした。それはぬるりと――そんな気がした――指先に触れた。なぜか、ここにあったと思った。

「睡ると死ぬぞ、おい、おい――」

彼はそう叫んで引っぱった。両手に首根ッこを掴んだ。後向きに、雪のうえを、まるで蟻が獲ものを運ぶように、蹣跚とした。ようやくまた穴にかえった。一呼吸入れて、それから彼は横に寝ているものを揺ぶった。

「おい」

「――――」

「おーい」と声をたかめた。

「――――」

「鋸屋ア、行商ウ、おーい、越後の、鋸屋ア――」

「――――」

「睡ったか――きさまア、死ぬぞ」と、高倉は形相をかえて立ちあがった。

「目を醒ませッ! うぬ」

そう叫んだ彼も、自ら気がつかずに狂いかけていたのかも知れない。彼は手をあげて鋸屋の頬桁をなぐりつけた。足をあげてその腰骨を蹴りつけた。何か大ごえに喚いていた。前後を考える余裕もない。