Classiques japonais avec furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lisez 福翁自伝 (ふくおうじでん) de 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 912 caractères · 402 écrans
ソレはその時塾に居た小野友次郎が警視庁に懇意の人があって、極内々その事を聞出して、私と同時に後藤象次郎も共に放逐と確に云うから、「ナニ殺されるではなし、イザと云えば川崎辺まで出て行けば宜いと申して居る中、その翌日か翌々日か小野が又来て、前の事は取消しになったと云うので事は済みました。又その後明治二十年頃かと思う、井上角五郎が朝鮮で何とやらしたと云うので捕えられて、その時の騒動と云うものは大変で、警察の役人が来て私方の家捜しサ。夫から井上が何か吟味に逢うて、福澤諭吉に証人になって出て来いと云て、私を態々裁判所に呼出して、タワイもない事を散々尋て、ドウかしたら福澤も科人の仲間にしたいと云うような風が見えました。都てコンな事は唯大間違で、私の身には何ともない。却て世の中の人心の動くその運動の方向緩急を視察して面白く思て居るが、又一歩を進めて虚心平気に考うれば、私が兎角政界の人に疑われると云うのも全く無理はない。第一私は何としても役人になる気がない、是れは世間に例の少ない事で、仕官流行、熱中奔走の世の中に、独りこれが嫌いと云えば、一寸と見て不審を起さねばならぬ。