Classiques japonais avec furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lisez 胡堂百話 (こどうひゃくわ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 124 386 caractères · 248 écrans
「では、いいましょう。実はあれは女なのだ。それだけ言えば、見当がつくでしょう。ほら、あの女……」
その日は、それで帰って行った。むろん誰にも、しゃべりはしなかったと思う。だが、次の日、新聞を見て、私は、
「しまった!」
と、叫んだ。
謎の人物の絵姿が、すっかり女になっているのだ。黒装束には変りはないが、忍びこむ手の線、足の形、誰が見ても女なのだ。その小説には、女は、二、三人しか登場していないから、これでは、すっかり、見当がついてしまう。
「困るねえ。この小説は、これから、まだ百回も続くのだ。この辺で、タネを割ったら、誰も読まなくなるではないか」
私としては珍しく、いささか、怒気を含んで言った。
すると、そのまた翌日からは、筋骨すこぶるたくましく、鬼をもひしぎそうな絵になった。私は、またしても、憂鬱になった。
一回読み切りの雑誌の場合でも、犯人らしいのが何人かいて、あれや、これやと騒いだ末に、最後にドンデン返しになって、正直なアンマと思ったのが、意外にも下手人だったとする。それが※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)絵で、平次がアンマを縛るところを書いたとすれば、読者は、パラパラと、めくっただけで、何も、最後まで読むことはない。