Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lisez 胡堂百話 (こどうひゃくわ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 124 386 caractères · 248 écrans
もっとも、荷物はすべて馬の背で運んだ。
盛岡中学へ入学して、たった一人で、この城下町へ行った時、布団や本箱は、別に馬の背で送ってもらい、盛岡の目貫きの、肴町の四ツ角で落ち合って、馬と一緒に、下宿の猪川塾へ行ったものである。
ほんとうの独り旅は、十四の年に平泉の中尊寺へ行った。父も母も、危ながって旅費を出してくれなかったから、妹のおこづかいを五十銭借りて、そっと出かけてしまったのである。
そのころの中尊寺は、寂しくて、そして美しかった。金色堂は修理中だったけれど、物売る店もなく、うるさくつきまとう案内人もなく、義経や弁慶の幻想を追いながら、私は杉木立の下を歩き回った。
平泉から、黒沢尻へ回り、さて帰りのキップを買おうとすると、お金が足りない。厳密にプランを立てていたつもりなのが、どこかで計算違いをしたのであろう。駅の、キップを売るまどの前で、料金表と自分のガマグチの中身とを、何べん比較検討して見ても、お金の方が僅かばかり不足なのである。そのうちにも、汽車の時刻は刻々にせまる。十四歳の少年に、いくら考えてもよい知恵の出るわけはない。
私は、自分の村よりも一つ手前の石鳥谷までキップを買った。