Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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やそうざっき・やちょうざっき

野草雑記・野鳥雑記

柳田 国男

Lisez 野草雑記・野鳥雑記 (やそうざっき・やちょうざっき) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 016 caractères · 284 écrans

Aozora Bunko

これに基づいてなお考えて行くべきことは、同じ一つの民族でも時により処につれて、かつてクルクルと聴いた声を、スズともチンチンともジヤッチとも聴く位に、我々の形容な大ざっぱなまた精確でないものであったのである。それは恐らく蓄音機の如く正しく伝えようというよりも、むしろ面白くまた快く聴取ろうという要求の方が強かったためで、言わば音響に対する人の趣味のようなものの変遷であったのではないか。雀に比べると親しみは遥かに少なかったが、村の林に来た小鳥はさまざまで、到底その一つを以て代表させることは出来ぬはずであるにもかかわらず、現にクラでもスズメでも、今なお総称の如くに用いられる土地が多く、殊に我執のない童児の群にあっては、何度でも立戻ってこういう不精確に甘んじようという風のあったことは、畢竟する所単語は符号であり、相手の了解する限度において、むしろ智巧よりも簡易を尚んだためであって、これが恐らくは譬えとか綽名とか諺とか称する小さな文芸との、最もはっきりした一つの堺線であろうと思う。

ここでその話をすると脱線かも知れぬが、物を面白く言おうとする人の心持と、なるべく手軽に用を弁じようとする念慮とは、多くの場合において相闘っている。