Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やそうざっき・やちょうざっき
野草雑記・野鳥雑記
柳田 国男
Lisez 野草雑記・野鳥雑記 (やそうざっき・やちょうざっき) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 016 caractères · 284 écrans
草に外来の新種が幾つか加わり、または遠くから引移って来たものがあって、それが案外に幅を利かしているように、鳥にも新たなる危険が多く、もう以前ほどは悠長でなくなっている。四十雀でも藪鶯でも、来たかと思うとすぐに行ってしまって、遊んでいようとする心持が少しもない。殊に頬白などは囀りまでもかえたらしく、何だか一年増しに歌の声が短くなって、一筆啓上仕候などとは、聴いてもらえそうもなくなった。現在残っている幾つかの鳥の昔話は、どれも皆あの挙動や鳴声の写実味に根ざしている。もしもその根拠が揺ぐようだったら、後は幼ない者までが印象を拒むことになるであろう。新たなるものがいまだ生れず、古い心持は先ず消えようとするこの淋しい過渡期に、ちょうど世に出て行く記録だということが、前から少しでもわかっていたならば、また若干の用意もあったであろうに、私は漸くこの頃になってそれに気付いたのである。いかに閑人の閑事業であったとはいっても、あまりにその散漫であるのに私は恥じている。
今一つの思いがけぬ滑稽は、この住宅地の周囲の光景が、こんなにも変って行くものとは私は考えなかった。