Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lisez 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 961 caractères · 317 écrans

Aozora Bunko

「大蝶」はその町でいちばん大きく貝の罐詰工場を経営してい、漁師たちの採る貝を沖で買い取るために、大蝶丸という船を持っていた。

私の問いに答えて、長はつよく首を振った。

「ううん、そんなこたねえだよ」と長は云った、「工場はやかましかんべ、だからみんなえっけえ声になっちまうだ」

えっけえとはもちろん大きなという意味である。長はなお「芳爺さまはそら耳を使う」と云ったが、それはもう私の知っていることであった。

それからのちもときどき道で会ったが、老人は挨拶もしないし、私を見ても棒杭か石ころでも見るような眼つきしかしなかった。頬かぶりをとった老人の顔は、痩せていて小さく、太陽と潮風にやけた頭は禿げていて、灰色の髪の毛がほんの少し後頭部にあり、頬や顎にはまばらな無精髭が、古くなったブラシのように、一本ずつ数えられるほどまばらに、きらきらと銀色に光っていた。眼には非人間的な鈍い冷たい光があり、殆んど唇が無いようにみえる薄い唇には、いつも人を小ばかにしたような、狡猾な微笑が刻みつけられていた。

尤もこれは芳爺さんに限らず、その土地の一部の人たちに共通した顔だちであった。