Classiques japonais avec furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lisez 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 961 caractères · 317 écrans
た。
「背負ってるのはおっかあでね」と平二郎は云った、「ああやって背負っていって、着物をぬがして、躯をすっかり洗ってやって、きれいに拭いて、それから着物を着せて、うちまで背負ってけえるだよ」
私が質問すると、平二郎は大きな眼をそろそろとすぼめ、ふしぎなことを訊く人間がいるものだ、とでも云いたげな顔つきで私を見た。
「なんでだね」と平二郎は訊き返した、「――若えもんならともかく、あんなとしよりが女湯へへえったって別条なかんべえがえ、おらだって用があればいつだってへえるだ、女どもだってそんなこと屁とも思やしねえだよ」
そして、増さんはおっかあのことを決して他人に任せない。おっかあのどんな親しい者がいて、たまにはあたしが洗ってやろうと云っても、増さんはきっぱりと断わり、おっかあの躯の隅ずみまで入念に自分の手で洗ってやるのだ、と平二郎は云った。
私は高品さんの炉端でも、増さんの話をもちだしてみた。高品さんのところではあまり収穫はなく、「昔は村一番の鼻つまみだった」とか、「綽名を家鴨って云うだ」とか、いま漁業組合で働いているが、それは大蝶の旦那が口をきいたからで、その大蝶の旦那でさえ増さんの顔は「見たくもねえ」