Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lisez 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 961 caractères · 317 écrans

Aozora Bunko

――綿屋のおつゆちゃんは十二でちょぼちょぼと生えた。

――どこそこのおっかあは誰それとくっついた。

女の子だけに情緒的なことがらのほうが多かったが、私の材料ノートはそのために得るところが少なくなかったのである。私は静かに老夫妻のほうへ歩み寄り、帽子をぬいで会釈をした。

「暫くでした」と私は云った、「お達者のようでなによりです」

二人はそろそろと顔をあげて私を見た。なんの反応もない顔つきであった。

「蒸気河岸の先生ですよ」私は笑ってみせながら云った、「おたまちゃんはどうしていますか」

娘の名を聞いた瞬間、二人は躯をぴくっとさせ、にわかに表情を硬ばらせた。それは警戒のようでもあり、恐れのようでもあった。どちらにしろ、おたまに「なにかあった」ということ、それが老夫妻に強い打撃を与えた、ということは慥かであるように思えた。

「旦那は」と父親のほうが、棘のあるかすれた声で訊き返した、「どこのどなただかい」

私は母親を見た。

「おばさん、忘れましたか」と私は云った、「そら、蒸気河岸の先生ですよ、ぼくの家へよく掃除に来てくれたでしょう」

蒸気河岸のこれこれと、本名まで名のったが、おたまの母親にはまったくわからなかった。