Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lisez 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 961 caractères · 317 écrans
それを買ったとき私は爺さんに、ペンキを剥がすようにと頼んだのだ。
「おらそう云っただよ」と老人は私の手を眺めながら喚き返した、「そう云っただが塗っちまっただよ、まあしょうなかんべや、剥がしても塗っても青べかは青べかだでな」
爺さんは私の手と袂を、意味ありげな眼でちらちらと見た。
「棹や櫂はどうするだ」と老人は訊いた、「なんならおらが世話すべえか」
私が答えると、爺さんは耳に挾んでいたタバコの吸いさしを取り、いまいましそうな眼つきで「マッチ」と云った。私は答えて礼を云い、振り返って家へ戻った。
私の借りた家は、蒸気河岸から百メートルほど北にある一軒家で、東は広い田圃、左右は草のまばらに生えた空地、西が根戸川の土堤になっていた。土堤の上はずっと上流の徳行町まで続く道があり、人の往来はあまりないが、話しながら通る者があると、四帖半で机に向っていても、その話し声はよく聞えた。――その日の午後おそく、私の予期していた騒ぎが起こった。それは避けることのできない関門なのだ。東京から大阪まで汽車でゆくのに、丹那トンネルは避けることができるが、大井川や天竜川の鉄橋を避けることはできない。