Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lisez 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 961 caractères · 317 écrans

Aozora Bunko

乳呑み児の妹をどうやしなったかは誰も知らないが、赤児は丈夫そうに育っていた。――お繁はどこにいるかわからない。まだ暗いうち、ときには午前三時ころ、流れ海苔を拾いに南の浜へいそいでいる漁師が、百万坪の荒地のまん中で、妹を背負ったお繁に会う。

「ええっ」と漁師はとびあがる、「たまげたええ、繁あねじゃねえか、いまじぶんこんなところでなにしてるだ」

漁師の持っている提灯の光の中で、お繁はじろっと白い眼を向ける。

「いけ、ま」と少女は云う、「おんだらのことより、早くいって海苔を拾うがいいだよ」

或る日、お繁は消防のポンプ小屋の脇で、垢だらけの妹に小用をさせている。また町の家並みの裏をひっそりと歩いているし、或る夜は若い漁師が、ひび置き場の蔭でお繁を見つけ、慌てて、伴れの娘とほかの場所を捜しにゆく。繁あねはどこにもいないし、同時に、どこにでもいるのであった。

「わあい」と子供たちが囃したてる、「お繁がまた墓ん場の物を喰べてるだ、げーんが、げーんが」

げんがとは東京付近でいうえんが、またはえんがちょ、つまりけがれたというほどの意味であるが、するとお繁は妹を墓場に置いたまま、子供たちのほうへとびだして来る。