Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lisez 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 961 caractères · 317 écrans

Aozora Bunko

「ぬかすな、吉」とお繁はやり返す、「墓場の物を食うぐれえがなんだ、おめえのおっかあなんかもっとげんがだぞ、中堀の巳之なあことくっついて、夜中になると海苔漉き小屋へいって寝るだ、おんだら見てちゃんと知ってるだ、嘘だと思ったら、田島の漉き小屋へ夜中にいってみろ、二人でいっしょに寝て、尻尾を踏んづけられた犬みてえな声だしてるだから、げんがたおめえらのことを云うだ」

そして、さも軽侮に耐えない、といったふうに唾を吐くのだ。もしそれ以上なにかからかえば、お繁は手と爪と歯とで向ってゆき、じつに思いきった行動で相手をやっつける。頬ぺたや腕などに、お繁の歯形や爪跡のある子供は、二人や三人ではないようであった。

これが繁あねなのだ。しかもその躯はいま、内部から新しい彼女を創り出しつつある。私の眼に映った美しい部分には、成長するいのちというものが脈搏っているように感じられた。――そうだ、まだ子供っぽい腰つきにもどこやらまるみがあらわれ、平たい胸にもいくらかふくらみがうかがわれる。野性まるだしの好戦的な眼はうるみを帯び、薄い唇は活き活きと赤く湿りをもってきた。――或るときは妹を背負っていさましく歩きまわっているが、或るときはぐったりと草地に坐り、脇で泣いている妹の声も聞えないように、手足を投げだしたままもの憂げにどこかをみつめ