Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Lisez 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 296 741 caractères · 584 écrans
の中で、ルシファの追放を描いている一句に挾んだ。
「ところが、このとおり」真斎は平然としながらも、妙に硬苦しい態度で答えた。「隠扉もなければ、揚蓋も秘密階段もありません。ですから、確実に、再び開く事なし――なのです」
「ワッハハハハ、いやかえって、異常に空想が働き、男自ら妊れるものと信ずるならん――かもしれませんよ」と法水が爆笑を揚げたので、それまで、陰性のものがあるように思われて、妙に緊迫していた空気が、偶然そこで解れてしまった。真斎もホッとした顔になって、
「それより法水さん、この方を儂は、処女は壺になったと思い三たび声を上げて栓を探す――だと思うのですが」
この奇様な詩文の応答に、側の二人は唖然となっていたが、熊城は苦々しく法水に流眄をくれて、事務的な質問を挾んだ。
「ところで、お訊ねしたいのは、遺産相続の実状なんです」
「それが、不幸にして明らかではないのですよ」真斎は沈鬱な顔になって答えた。「勿論その点が、この館に暗影を投げていると云えましょう。算哲様はお歿りになる二週間ほど前に、遺言状を作成して、それを館の大金庫の中に保管させました。そして、鍵も文字合わせの符表もともに、津多子様の御夫君押鐘童吉博士にお預けになったのですが、何か条件があるとみえて、未だもって開封されてはおりません。