Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Leggi あらくれ di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.451 caratteri · 236 schermate

Aozora Bunko

そうなるまでに、お島は幾度生家の方へ資金の融通を頼みに行ったか知れなかった。小いところから仕上げて大きくなって行った、大店の成功談などに刺戟されると、彼女はどうでも恁でもそれに取着かなくてはならないように心が焦だって来た。町を通るごとに、どれもこれも相当に行き立っているらしい大きい小いそれらの店が、お島の腕をむずむずさせた。見たところ派手でハイカラで儲の荒いらしいその商売が、一番自分の気分に適っているように思えた。

「田町の方に、こんな家があるんですがね」

お島はもと郵便局であった、間口二間に、奥行三間ほどの貸家を目っけてくると、早速小野田に逢ってその話をした。金をかけて少しばかり手入をすれば、物に成りそうに思えた。

「取着には持ってこいの家だがね」

持主が、隣の酒屋だと云うその家が、小野田にも望みがありそうに思えた。

「あすこなら、物の百円とかけないで、手頃な店が出来そうだね。それに家賃は安いし、大家の電話は借りられるし」

幾度足を運んでも、母親が頑張って金を出してくれない生家から、鶴さんと別れたとき搬びこんで来たままになっている自分の箪笥や鏡台や着物などを、漸とのことで持出して来たとき、お島は小野田や自分の手で、着物の目星しいものをそっち此方売ってあるいた。