Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Leggi あらくれ di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.451 caratteri · 236 schermate

Aozora Bunko

九十

お島は嫂の口占を引いてでも見るように、そう言ってみた。

「へえ、そんな事があるんですか。私はちっとも知りませんよ」

「男だけには、それぞれ所有を決めてあるという話ですけれどね」

お島はこの場合それだけのものがあれば、一廉の店が持てることを考えると、いつにない慾心の動くのを感じずにはいられなかったが、家を出て山へ行ってから、父親の心が、年々自分に疎くなっていることは争われなかった。

「行きましょうよ」

お島はまだ母親の傍にいる男を急たてて、やっと外へ出た。

九十

狭い三畳での、窮屈で不自由な夫婦生活からと、男か女かの孰れかにあるらしい或生理的の異常から来る男の不満とが、時とするとお島には堪えがたい圧迫を感ぜしめた。

「へえ、そんなもんですかね」

若い亭主を持っている印判屋の上さんから、男女間の性慾について、時々聞かされることのあるお島は、それを不思議なことのように疑い異まずにはいられなかった。

「じゃ、私が不具なんでしょうかね」

お島はどうかすると、男の或不自然な思いつきの要求を満すための、自分の肉体の苦痛を想い出しながら、上さんに訊いた。

「でもこれまで私は一度も、そんな事はなかったんですからね」