Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Leggi あらくれ di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.451 caratteri · 236 schermate

Aozora Bunko

がたんと言うアイロンの粗雑な響が、絶えず裁板のうえに落ちた。ミシンがまた歯の浮くような騒々しさで運転しはじめた。

「この人到頭寝てしまったよ」

寒さ凌ぎに今までちびちび飲んでいた小野田が、いつの間にかそこに体を縮めて、ごろ寝をしはじめていた。

「今日は幾日だと思っているのだい」

「上さんは感心に目の堅い方ですね」職人がそれに続いてまた口を利いた。

「私は二日や三日寝ないだって平気なもんさ」

お島は元気らしく応えた。

晦日の夜おそく、仕上げただけの物を、小僧にも脊負わせ、自分にも脊負って、勘定を受取って来たところで、漸と大家や外の小口を三四軒片着けたり、職人の手間賃を内金に半分ほども渡したりすると、残りは何程もなかった。

「宅じゃこういう騒ぎなんです」

品物を借りてある女が、様子を見に来たとき、お島は振顧きもしないで言った。

店には仕事が散かり放題に散かっていた。熨斗餅が隅の方におかれたり、牛蒡締や輪飾が束ねられてあったりした。

「貴女の方は大口だから、今夜は勘弁してもらいましょうよ」

お島はわざと嵩にかかるような調子で言った。

小野田に嫁の世話を頼まれて、伯母がこれをと心がけていたその女は、言にくそうにして、職人の働きぶりに目を注いでいた。