Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Leggi あらくれ di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.451 caratteri · 236 schermate

Aozora Bunko

「貴女はよく稼ぐというじゃないかね。どうしてそう困るね」

「私がいくら稼いだって駄目です。私はこれまで惰けるなどと云われたことのない女です」お島は涙を拭きながら言った。

「洋服屋というものは、大変儲かる商売だということだけれど……二人で稼いだら楽にやって行けそうなものじゃないかね」女はやっぱり仕事から全く心を離さずに笑っていた。

「それが駄目なんです。あの男に悪い病気があるんです。私は行ろうと思ったら、どんな事があっても遣通そうって云う気象ですから、のろのろしている名古屋ものなぞと、気のあう筈がないんです」

「そんな人とどうして一緒になったね」女はねちねちした調子で言った。

お島は「ふむ」と笑って、泣顔を背向けたが、この女には、自分の気分がわかりそうにも思えなかった。

「でも東京というところは、気楽な処じゃないかね。私等姑さんと気が合わなんだで、恁して別れて東京へ出て来たけれど、随分辛い辛抱もして来ましたよ。今じゃ独身の方が気楽で大変好いわね。御亭主なんぞ一生持つまいと思っているわね」

「何を言っているんだ」と云うような顔をして、お島は碌々それには耳も仮さなかった。