Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Leggi あらくれ di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.451 caratteri · 236 schermate

Aozora Bunko

煙突の多い王子のある会社などでは、応接室へ多勢集って来て、面白そうに彼女の周囲を取捲いたりした。

「もし好かったら、どしどし註文を出そう」

その中の一人はそう言って、彼女を引立てるような意志をさえ漏した。

「そう一時に出ましても、手前どもではまだ資本がございませんから」

お島はその会社のものを、自分の口一つで一手に引受けることが何の雑作もなさそうに思えたが、引受けただけの仕事の材料の仕込にすら差閊えていることを考えずにはいられなかった。

註文が出るに従って、材料の仕込に酷工面をして追着かないような手づまりが、時々好い顧客を逃したりした。

「ええ、可しゅうございますとも、外さまではございませんから」

品物を納めに行ったとき、客から金の猶予を言出されると、お島は悪い顔もできずに、調子よく引受けたが、それを帰って、後の仕入の金を待設けている小野田に、報告するのが切なかった。それでまた外の顧客先へ廻って、懈い不安な時間を紛らせていなければならなかった。

「堅い人だがね、どうしてくれなかったろう」

お島は小野田の失望したような顔を見るのが厭さに、小野田がいつか手本を示したように、私と直しものの客の二重廻しなどを風呂敷に裹みはじめた。