Classici giapponesi con furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Leggi あらくれ di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.451 caratteri · 236 schermate
七十三
最初その争いは多分夫婦間独自の衝突であったらしく思えたが、この頃の行詰った生活問題にも繋っていた。
「私はこうみえても動物じゃないんだよ。そうそう外も内も勤めきれんからね」
お島はこの頃よく口にするお株を、また初めていた。
誰があの職人を今まで引留めておいたかと言うことが、二人の争いとなった。
「お前さんさえ働けば、家なんざ小僧だけで沢山なんだ」飽っぽいようなお島が言出していた。どんな事があっても、三人でこの店を守立ててみせると力んでいた彼女が、どんな不人情な心を持っているかとさえ疑われた。
七十三
二日ばかり捜しあるいた口が、どこにも見つからなかったのに落胆した彼が、日の暮方に疲れて渡場の方から帰って来たとき、家のなかは其処らじゅう水だらけになっていた。
以前友達の物を持逃したりなどしたために、警察へ突出そうとまで憤っている男もあって、急にぐれてしまった自分の悪い噂が、そっちにも此方にも拡がっていることを感づいたほか、何の獲物もなかった彼は、当分またお島のところに置いてもらうつもりで、寒い渡しを渡って、町へ入って来たのであったが、お島の影はどこにも見えずに、主人の小野田が雑巾を持って、水浸しになった茶の間の畳をせっせと拭いていた。