Classici giapponesi con furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Leggi あらくれ di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.451 caratteri · 236 schermate
成算なしに着物を作って、困るのは知れきっているじゃないか」
着ものなどに頓着しない小野田は、お島の帰りでもおそいと、時々近所のビーヤホールなどへ入って、蓄音機を聴きながら、そこの女たちを相手に酒を飲んでいては、お島に喰ってかかられたりしたが、やっぱり自分の立てた成算を打壊されながら、その時々の気分を欺かれて行くようなことが多かった。
「あの御父さんの産んだ子だと思うと、厭になってしまう。東京へでも出ていなかったら、貴方もやっぱりあんなでしょうか」
お島はにやにやしている小野田の顔を眺めながら笑った。
「莫迦言え」小野田はその頃延しはじめた濃い髭を引張っていた。
「だからビーヤホールの女なぞにふざけていないで、少しきちんとして立派にして下さいよ。あんなものを相手にする人、私は大嫌い、人品が下りますよ」
お島はどうかすると、父親の面差の、どこかに想像できるような小野田の或卑しげな表情を、強いて排退けるようにして言った。小野田が物を食べる時の様子や、笑うときの顔容などが、殊にそうであった。
「子が親に似るのに不思議はないじゃないか。己は間男の子じゃないからな」