Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Leggi あらくれ di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.451 caratteri · 236 schermate

Aozora Bunko

お島はその一人からは夏のインバネス、他の一人からは冬の鳶と云う風に、孰も上等品の註文を取ることに抜目がなかったが、いつでも見本を持って行きさえすれば、山の町でも好い顧客を沢山世話するような話をも、精米所の主人が為ていた。

「私がこの旦那方に、どのくらいお世話になったか知れないんです」

お島はそう言って小野田にも話したが、そこにお島の身のうえについて、何か色っぽい挿話がありそうに、感の鈍い小野田にも想像されるほど、彼等はお島と狎々しい口の利き方をしていた。

肉づいた手に、指環などを光せている精米所の主人のことを、小野田は山にいた時のお島の旦那か何ぞであったように猜って、彼等が帰ったあとで、それをお島の前に言出した。

「ばかなことをお言いでないよ」

お島は散かったそこらを取片着けながら、紅い顔をして言った。たっぷりした癖のない髪を、この頃一番自分に似合う丸髷に結って、山の客が来てからは、彼女は一層化粧を好くしていた。指環なども、顔の広い彼女は、何処かの宝玉屋から取って来て、見なれない品を不断にはめていた。それが小野田の目に、お島を美しく妬ましく見せていた。