Classici giapponesi con furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Leggi あらくれ di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.451 caratteri · 236 schermate
「いくら向うに未練があったって、あの頃とは違いますよ。亭主のあるものに手を出して、呶鳴込まれたらどうするんです」
小野田がまだ全く忘れることのできないその女のことを口にすると、お島はそう言って窘めたが、別れてからも、小野田に執着を持っている女を不思議に思った。
「あいつの亭主は、そんな事を怒るような男じゃない、おれがあいつの世話をしていたことも、ちゃんと知っていて、今でもそういうことには無神経でいるんだ」
小野田はそう言って笑っていた。
二三日前から、また時々自転車で乗出すことにしていたお島が、ある晩九時頃に家へ帰って来ると、女から、呼出をかけられて、小野田は家にいなかった。
「どこへ行ったえ」
お島は何のことにも能く気のつく順吉に、私とたずねた。
「白山から来たと云って、若い衆が手紙を持って、迎いに来ましたよ。私が取次いだんだから、間違いはありません」
順吉はそう云って、まだ洋服もぬがずにいるお島の血相のかわった顔を眺めていた。
「じゃまた何処かで媾曳してるんだろうよ。上さん今夜こそは一つ突止めてやらなくちゃ……」
お島は急いでコルセットなどを取はずすと、和服に着替えて、外へ飛出していった。