Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Leggi あらくれ di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.451 caratteri · 236 schermate

Aozora Bunko

「大した身装じゃないか。商人の内儀さんが、そんな事をしても可いの」惜気もなくぬいてくれる、お島が持古しの指環や、櫛や手絡のようなものを、この頃に二度も三度ももらっていた姉は、媚びるように、お島の顔を眺めていた。

「どうせ長持のしない身上だもの。今のうち好きなことをしておいた方が、此方の得さ。あの人だって、私に隠して勝手な真似をしているんじゃないか」

お島はその日も、外へ出ていった鶴さんの行先を、てっきり植源のおゆうの許と目星をつけて、やって来たのであった。そして気味を悪がって姉の止めるのも肯かずに、出ていった。

おどおどして入っていった植源の家の、丁度お八つ時分の茶の室では、隠居や子息と一緒に、鶴さんもお茶を飲みながら話込んでいたが、お島が手土産の菓子の折を、裏の方に濯ぎものをしているおゆうに示せて、そこで暫く立話をしている間に、鶴さんも例の折鞄を持って、そこを立とうとしておゆうに声をかけに来た。

「まあ可いじゃありませんか。お島さんの顔を見て直き立たなくたって。御一緒にお帰んなさいよ」

おゆうは愛相よく取做した。

「自分に弱味があるからでしょう」お島は涙ぐんだ面を背向けた。